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シンワ税理士法人のスタッフが
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母国にいる親族を扶養にするのも大変

 扶養控除に関する改正が、令和5年1月1日以降の所得税から施行されています。
大きな改正点としては、国外扶養親族の扶養控除の適用を受ける要件についてです。
 外国人従業員がいる会社では、母国の親族を扶養控除としていることがあるので、注意が必要になります。
 改正前は、対象となる国外居住親族を扶養親族とする場合には、年末調整時に親族であること及び送金をしていることを証明する書類を勤務先に提出する必要があり、送金については、送金額の基準は設けられていませんでした。
 今回の改正により、「30歳以上70歳未満」の国外居住親族に、38万円以上送金していないと扶養控除の対象にはならないという送金額の基準が設けられました。
 この38万円以上は、扶養控除の対象とする各人に対して送金する必要があります。例えば、日本国内の企業に努める外国人従業員が、母国にいる両親、兄弟の合計3人を対象とするならば、最低でも1人につき38万円で、3人で合計114万円を送金する必要があります。
 外国人従業員がいる会社で、毎月の給与計算時に扶養親族としてカウントし、源泉所得税の徴収をしている会社は、年末調整時に扶養親族にならないことが判明した場合、従業員から源泉所得税を徴収するケースがおきるかもしれません。
 これだけの金額を一時に送金するのは大変なことだと思います。
事前に外国人従業員に送金額についての説明をすることや、扶養親族にすることが難しいのであれば、毎月の給与計算時から扶養親族としてカウントしないなどの対策が必要
になるのではないでしょうか。