A社長さんと会計事務所Bさんの会話
Ａ： 「Bさん、お昼を一緒にどうだい？　何でも食べたいものを奢るよ。」
Ｂ： 「ありがとうございます。　気前がいいですね。　どうしたんですか？」
Ａ： 「４年前に母の相続があったんだけど、その時に相続した毎年１回300万円を10年間受け取る年金型の生命保険が二重課税らしいから、余分に納めた税金が戻ってくるはずなんだ。」
Ｂ： 「先日の最高裁での判決ですね。」
Ａ： 「ところで、何が二重課税なんだい？」
Ｂ： 「年金を受け取る権利に対して相続税を納めたのに、更に実際に年金を受け取る時にも所得税を納めなければならないところです。」
Ａ： 「相続税と所得税が二重だったんだね。　お昼はカウンターでお鮨でもどうだい？」
Ｂ： 「Aさん、今回の判決では二重課税と認められたのは、１回目の所得税だけです。２回目以降の年金についてはまだ判断を示されていないので、所得税が課税されるか、されないかはまだ決まっていないんです。」
Ａ： 「えっ！４回分戻ってくるんじゃないの？　でも１回目の300万円に対する所得税は戻ってくるんだよね？
あの・・・回転寿司でもいいかな？」
Ｂ： 「ちなみに戻ってくるのは300万円から保険料の払込金額などを差引いた金額に対して払った所得税分なので、Aさんの場合は４～５万円程度かと・・・」
Ａ： 「えっ・・・、それだけしか戻ってこないの？
　Bさん、急に用事を思い出しちゃったから、食事はまたの機会に。」
Ｂ： 「・・・」