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シンワ税理士法人のスタッフが
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路線価の上昇と生前贈与の活用


 7月1日に令和6年度の路線価が発表されました。
全国平均は、昨年比で2.3%上昇、3年連続での上昇となりました。
不動産をお持ちのお客様におかれましては、不動産価値の向上は嬉しくもある一方、
将来の相続税増加にもつながってしまい、悩みの種となっていることと思います。

さて令和6年より、生前贈与に関する税制が以下のように改正され、
相続時精算課税(以下、「精算課税」)がより使いやすい制度となりました。
・暦年贈与と同様に110万円の基礎控除枠が設けられ、少額の贈与について
贈与税申告が不要となった。
・暦年贈与は、死亡前3年間の生前贈与加算期間が7年間に延長された一方で
精算課税では110万円以下の生前贈与は相続財産に加算されない。

収益性や利便性が高く、路線価の上昇が見込まれる不動産をお持ちの場合にも
以下のようなメリットがあるため精算課税の適用を検討する余地があります。
・相続が発生した場合、死亡時ではなく生前贈与時の評価額となる。
・贈与後は、受贈者が不動産の運用収益を得るので、先代の相続財産の増加抑制と
受贈者側での相続税納税資金の確保につながる。

精算課税はいったん選択をすると暦年贈与に戻ることができないほか、小規模宅地の特例が使えなくなる等のデメリットもあるため、慎重な判断が必要ではありますが、年齢・家族構成・財産状況等によっては有利となる場合もあります。
弊社でシミュレーションも行っておりますので、ぜひご相談ください。