税理士Aさんと取締役Bさんの会話
Ａ： 「決算も一段落し、後は株主総会ですね。」

Ｂ： 「そうだな。消費税アップ前の駆け込み需要も影響し、前年比で増収増益だった。
　　今年度はさらに増収を図るため役員全員のモチベーションをあげる目的で、
　　株主総会の議題に役員報酬総額の増額改定を提案しよう。」

Ａ： 「いいですね。
　　そういえば、先日、自動車メーカーの役員の報酬が公開されていましたね。」

Ｂ： 「すごいよな。私は自動車メーカーの社長のように報酬を９億円に、とは言えないので、
　　せめて売上高に対するインセンティブ分を毎月の報酬にプラスして欲しいものだよ。」

Ａ： 「毎月の報酬が変動すると税金計算上、経費にならなくなりますよ。」

Ｂ： 「経費にならないのはダメだ。何かいい方法はないかね。」

Ａ： 「インセンティブの代替案として、夏と冬にボーナスを支給するというのはどうでしょうか。」

Ｂ： 「いいが、役員の賞与は経費にならないはずではなったかな。」

Ａ： 「役員賞与も税金計算上の経費になりますよ。ただし、事前に賞与を支払う時期、
　　支払う金額を定めた届出書を税務署に届け出る必要があります。」

Ｂ： 「届け出るだけで役員賞与が経費になるならその方法で行うことにしよう。
　　夏のボーナスが楽しみになった。早速、手続きを頼むよ。今日はありがとう。」

Ａ： 「あっ！　株主総会の決議が必要なことを伝え忘れた・・・・。」