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シンワ税理士法人のスタッフが
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厚生年金保険の上限改定

 これまで、厚生年金保険料の標準報酬月額の上限は「第31等級・62万円」でした。これが、この9月1日より新たに「第32等級・65万円」が追加され、上限が引き上げられることになりました。
 厚生年金の上限は、どのような基準で変更されるのでしょうか。
 これは厚生年金保険法で「年度末において、全被保険者の標準報酬月額の平均の2倍が標準報酬月額の上限を上回る状態が続くと見込まれる時に改定することが出来る」とされていて、これが基準となります。
 実際には4年前の平成28年年度末で、全被保険者の平均月額(約31.9万円)の2倍が約63.8万円となり、上限の62万円を超え、このような状態が現在まで続いていました。このため、今回ようやくその上限の改定が行われることになりました。
 それでは、改定に際して、会社としてすべきことはあるでしょうか。
    ・年金事務所は、7月に各会社から提出された算定基礎届をもとに、今回の改定の対象者のいる会社へ
     9月下旬ごろに通知を発送します。つまり、会社からの届け出は不要です。
    ・多くの会社は翌月徴収ですので、会社はその通知をもとに、10月分の給与から、
     新しい標準報酬月額で保険料を徴収します。
 新しい等級に該当するのは、報酬月額が63.5万円以上の被保険者となり、これにより労使ともに保険料負担が2,745円増加することになります。
 該当される社員の方は、徴収額が増加し、手取り額が減少することとなりますが、その分、将来の年金受給額は増加します。会社は、該当される社員の方へ、この両方の側面からお伝えするといいかもしれませんね。