出国すると税金がかかる?
顧問先のA取締役とB税理士の会話
A: 「海外の子会社が業務拡大をするので、今度そちらへ赴任することになりました。」
B: 「どれぐらい行かれるのですか?」
A: 「3年の予定です。」
B: 「そうですか。ところで、Aさんは株取引をやってらっしゃいましたよね?」
A: 「ええ、やってますが・・・」
B: 「実は、平成27年7月以降に日本を出国する際に、
株式等を時価総額で1億円以上持っていると、税金がかかる場合があるんですよ。」
A: 「え! 持ってるだけで?」
B: 「そうなんですよ。株の売却益に税金がかからない外国に移住して、
そこで株を売ることによる課税逃れを封じ込める目的ですね」
A: 「でも、売っていないんですから、税金を払うキャッシュがありませんよ。」
B: 「その場合には税金の支払いを延期する制度がありますし、
5年以内に帰国すれば出国時の税金を取り消すこともできます。」
A: 「それはよかった。 あっ!」
B: 「どうかされました?」
A: 「そもそも株を1億円も持っていないから関係ないですわ!」