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シンワ税理士法人のスタッフが
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住宅の貸付け用建物の消費税の仕入税額控除の適用制限

 令和2年度の税制改正により、令和2年10月1日から居住用賃貸建物の消費税の仕入税額控除の適用が制限されることになりました。
 居住用賃貸建物とは、住宅の貸付けが行われる建物で、1取引単位が税抜1,000万円以上のものを指します。
 本来、住宅の貸付けを行う建物から得る家賃収入は非課税売上となるため、そのような建物の取得に係る消費税について仕入税額控除を受けることはできません。しかし期中の売上の状況によっては仕入税額控除の適用を受けることが可能です。その結果、意図的な取引によって消費税の還付につなげる例が散見されていました。
 今回の改正によって、令和2年10月1日からの居住用賃貸建物の取得については仕入税額控除の適用が認められなくなります。
 ただし、店舗など住宅以外の貸付けに用いる部分は仕入税額控除の対象となります。
 取得の後で住宅以外の貸付けへ転用したり譲渡を行ったりした場合、取得から3年以内なら、調整期間での割合に応じて仕入税額控除が可能です。
 譲渡の場合は譲渡した日の属する課税期間で認められますが、住宅から事務所などに貸付けを転用した場合、仕入れ後3年が経過する日が属する課税期間で認められます。
 令和2年10月仕入れ・令和2年12月期決算の場合、仕入税額控除できるのは令和5年12月期決算の時点になります。
 貸付けを始めてすぐの課税期間とは限らないので注意が必要です。